鹿児島大学構内の自然放射線分布地図 ウインドウを閉じる

放射線の豆知識
1.身の回りに存在する放射線
私たちの回りには、もともと自然に放射線が存在します。宇宙からふりそそぐ放射線、大地から出る放射線、食物にも放射性物質が含まれています(図1)。また、空気中にはラドン(Rn)という放射性物質が存在し、放射線を出しているなど、常に私たちは微量の放射線に囲まれて生活しています。
2.身体の中にも放射性物質が存在します
私たちの身の回りには多くの種類の放射性物質があり、私たちは食べ物や呼吸によってそれらを体内に取り込んでいます(図2)。カリウム(K)は自然界に存在するミネラルの一種で、人間の体内で塩分を低下させ血圧の上昇を制御するなど、健康を保つために必要不可欠な成分です。このカリウムにはK-40という放射性物質がごくわずか(0.01%程度)ですが、含まれています。このK-40も食べ物と一緒に体内に取り込んでいます。これらの放射性物質は時間の経過とともに放射能が低くなり、新陳代謝されて体内でほぼ一定です。
3.地域別自然放射線の量
宇宙や大地からの放射線の量は地域によって異なります。たとえば、マグマが冷えて固まった花崗岩が多い地域は、放射線量が高くなり、関東では関東ローム層が被っているので放射線量は関西より低めです。ちなみに日本の中でラドンなどの吸入分を除く、「自然放射線」の平均値が一番高い場所は岐阜県で、1年間で1.19ミリシーヘ゛ルト(mSv)です。逆に一番低いのは神奈川県で年間0.81ミリシーヘ゛ルト(mSv)です(図3)。世界に目を向けてみると、ブラジルのガラパリでは、大地から受ける放射線は年間10ミリシーヘ゛ルト(mSv)にもなります。


この項は、東京電力の許可を受けてホームページ(http://www.tepco.co.jp/index-j.html)から引用しました。
自然放射線 身体の放射線 地域の放射線
図1 自然放射線 図2 身体の放射線 図3 地域の放射線
拡大写真(138KB) 拡大写真(93.2KB) 拡大写真(76.9KB)

小中学生のための夏休み体験学習「放射線ってどんなもの?」
鹿児島大学フロンティアサイエンス研究推進センターアイソトープ分野では、医療、工業及び農業などの分野のみならず環境の分野で有効に活用されている放射線に対する理解を深めてもらうこと、ならびに実験・調査を通して科学に興味を持ってもらうことを目的とする小・中学生対象の公開講座を、平成15年度より毎年夏休みを利用して開催しています。そのプログラムの一部として、「はかるくん(写真1)」を使用した鹿児島大学構内の自然放射線地図の作成を取り入れています。表1は「はかるくん」による自然放射線測定値の屋外環境別平均を示したものです。
ところで、放射線の強さは常に一定ではありません。「はかるくん」の検出器に飛び込んでくる自然放射線の量は変化しており、それに応じて測定値も変化します。フロンティアサイエンス研究推進センターの一室で、自然放射線の強さを110回連続して測定してみました。表2がその測定結果です。図1は測定値のばらつきをグラフ−度数分布(ヒストグラム)で表現してみたものです。平均値は、測定値の合計を測定値の個数で割って得られる値、中央値(メディアン)は、測定値を大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値、最頻値(モード)は、最も多く現れている測定値のことです。グラフ全体が、少し左のほうに偏った、山のような形となっていることが分かります。
さて、これから鹿児島大学構内の自然放射線地図を「はかるくん」を用いて作成しますが、測定値の変動を考えたとき、何回ぐらい測定したらよいのでしょうか。信頼できる値は同じ場所で何回も測定して平均値を求めることによって求められますが、一人で自然放射線地図を作成するときは、測定する場所で1分毎に5回の測定を行い、中央値をその場所の値として採用します。
 このプログラムでは、9ヶ所で18名の子供たちが各自1回ずつ測定し、18名の測定値の平均値をその場所の放射線の強さとしました。
はかるくん 自然放射線の屋外環境別平均 空間線量率の連続測定の結果 度数分布
写真 1 はかるくん 表1 自然放射線の屋外環境別平均 表2 空間線量率の連続測定の結果 図1 度数分布
拡大写真(71.3KB) 拡大表1(93.5KB) 拡大表2(205KB) 拡大図1(107KB)

自然放射線の分布図.(pdfファイル、105KB)